尖圭コンジローマに感染すると、HIV感染率が10倍以上高まるという報告もあります。
尖圭コンジロームまたは尖圭コンジローマは、性器への
低リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症
で、大部分が性交あるいはその類似行為で感染します。HPVは接触により、皮膚や粘膜の微小な傷から侵入し、基底細胞を含む分裂可能な細胞に感染します。
感染後、視診で確認できるまでに3週間〜8ヶ月(平均2.8ヶ月)を要するので、感染機会を特定することは難しくなります。
尖圭コンジローマは、HPV6型あるいは11型の感染ですが、まれに皮膚型のHPVがみられることもあります。
感染部位は外陰部、肛門、肛門内、尿道口、膣、子宮頸部にみられ、それらに乳頭状腫瘍が多発します。
女性の感染部位
多くは膣の入口や肛門付近にできますが、膣や肛門の内部にも症状が現れることがあります。基本的には痛み、かゆみなどはありませんが、放置するとイボの数が増えたり、大きくなることがあります。
女性外陰部のコンジローマ
情報元:国立感染症研究所ホームページ
男性の感染部位
イボができる場所ですが、主に亀頭の先端部分や冠状溝(カリ)といわれる辺りがおおく、次に包皮の内側や外側、陰嚢、陰嚢と肛門の間、尿道口、肛門のまわりや肛門内になります。
イボの色は白〜褐色までさまざまで、時には黒色になることもあります。平成11年~平成30年の尖圭コンジローマの患者数をグラフ化したものです。
平成25年までは男女の患者数がほぼ同じ増減だったのですが、平成25年以降は男性が増加傾向にあるのに対して、女性は緩やかに減少してます。
情報元:厚生労働省 (数値を当方でグラフにしました)無断転載禁止
尖圭コンジローマとよく間違われる病気には下記の①〜⑤の例があります。
①陰茎真珠様小丘疹(pearly penile papule)
陰茎の冠状溝に沿って1ミリ前後の小結節が多発する疾患で特に治療の必要はありません。
②フォアダイス状態(Fordyce’s condition )
陰茎に1ミリほどの白い小結節がたくさんできます。脂腺の増殖で特に治療の必要はありません。
③伝染性軟属腫(molluscum contagiosum)
いわゆる水イボと呼ばれるもので、伝染性軟属腫ウイルスの感染による平均2〜5ミリの半球状のイボです。
④ボーエン様丘疹症(bowenoid papulosis)
褐色ないし黒褐色の直径5mm大までの扁平隆起性小腫瘍が多発する病気です。
生検による確認が必要とされます。
⑤扁平コンジローマ
梅毒感染3ヵ月後ごろにバラ疹に次いで現れる第2期疹です。
尖圭コンジローマの病原体は、低リスク型ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)になります。
感染から3ヶ月経過すると、
陰茎の亀頭やその周囲、包皮や陰裏などに乳頭状、鶏冠状のイボ
ができます。また、
肛門周囲や肛門内、尿道口にも感染し、尿道や直腸内部にも発生する
ことがあります。 肛門周囲の場合は肛門科での治療になります。一般的には肉眼的に診断がつきます。
検査をご希望の場合は患部を綿棒で拭い、それを核酸検出法でHPVの有無を確認します。
※当院では視診による診断のみ行っております。
病変の状態を確認(結節状あるいは扁面状、多発あるいは単発、色調:白・ピンク・褐色・黒)
結果:約1週間後
※低リスク型HPVの感染が認められても、全ての方が尖圭コンジローマを発症するわけではございませんので、ご安心ください。
この検査はあくまで、リスクについて調べるものとなります。
あおぞらクリニックでは、問診料や再診料は頂いておりません。
患者様のご負担は、検査料金とお薬代のみです。
尖圭コンジローマは医師の視診で診断が可能のため、検査料金はかかりません。
診断とは別に、原因となるウイルス(低リスク型HPV)の感染の有無について検査される場合、検査費用がかかります。
軟膏の処方
液体窒素療法:外科的手術による切除(当院では行っておりません)
※女性のコンジローマは膣内にもできることがあり、婦人科をオススメします。
イミキモドクリームを患部に塗布することで治療します。
イミキモドクリームは隔日週3日使用します。
治療にかかる期間は症状によって変わりますが、16週間を目安に継続します。
ヒトパピローマウイルスは皮膚や粘膜の微小な傷から侵入・感染するため、感染予防にはコンドームの使用が効果的です。
性行為だけでなく性交類似行為も含む性的接触時にはコンドームを必ず使用することで予防ができますが、完全に防ぐことはできませんのでご注意ください。
※外陰部にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎などがある場合は特に感染しやすいので要注意です。
他にも陰茎がんや子宮頸がんの原因となる高リスク型HPV、尖形コンジローマの原因となる低リスク型HPV そのどちらに対しても予防効果の期待できる4価HPVワクチン接種が予防法として有効です。
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