国連の発行している「避妊法2019(Contraceptive Use by Method 2019)」のデータによると、日本のピル内服率は2.9%。
諸外国におけるピル内服率は、フランス33.1%、カナダ28.5%、英国26.1%、ノルウェー25.6%、タイ19.6%、米国13.7%、カンボジア13.7%、ベトナム10.5%、マレーシア8.8%、ミャンマー8.4%、香港6.2%、韓国3.3%、中国2.4%となっています。
黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)の2種類の女性ホルモンを合わせてできた錠剤です。
避妊の効果が99%以上あり、コンドームや緊急避妊薬よりも避妊効果が高く、生理痛や、月経前症候群(PMS)などにも効果があります。
1シートに28錠あり、そのうちの21錠が実薬と呼ばれる成分が入っている錠剤で、残りの7錠はプラセボといい、成分の入っていない錠剤になっています。
(当院で取扱っている低用量ピルはすべて28日型になりますので毎日1錠をお飲みいただくタイプになります。
21日型との違いは最後の7日間(22日~28日)のところにプラセボがついていることです(この期間に生理がきます)。
21日型は自分で7日間の休薬期間(薬を飲まない期間)を取ってもらうことになります。
プラセボがついている理由は、飲み忘れを防ぐためです。薬の再開を忘れてしまうことが多いのでそれを防ぐために毎日1錠飲むようにパッケージされています。)
実薬のホルモン量がすべて一定のものを一相性、生理周期のように徐々にホルモン量が増えていくものを三相性と言います。
飲み忘れがなければ99%以上の効果があります。
内服する日を調整することで、旅行や大事なイベントに生理日が重ならないようにできます。
子宮内膜の増殖が抑えられるため、プロスタグランジンの量は減少し、月経痛が改善され月経量も少なくなります。
月経痛をガマンしなくてすみ、貧血も予防できるというメリットもあります。
女性ホルモンのバランスを一定に保つことができるため、生理前のイライラや落ち込み、倦怠感といった症状から解放されます。
月経周期が規則正しくなるため、月経不順が改善されます。
そのまま放置しておくと毎月卵巣から分泌される黄体ホルモンと卵胞ホルモンにより年々に進行していく可能性のある子宮内膜の増殖を抑えたり、進行を遅らせることができます。
卵巣がん、子宮体癌、大腸がんのリスクが軽減されると言われています。
低用量ピル他の血栓のリスク
低用量ピル:1万人あたり3-9人
服用なし:1万人あたり1-5人
妊娠中:1万人あたり5-20人
分娩後12週まで:1万人あたり40-65人
ピルを内服しない場合でも上記のように血栓症になる可能性はあります。
タバコは血栓症のリスクであり低用量ピルの一番の重篤な副作用の血栓と相乗効果で増加するので禁煙をお勧めいたします。
また、年齢も血栓増加のリスクなので35歳以上、たばこ15本/日以上の方には低用量ピルは禁忌になります。
片頭痛は、頭の片側がズキズキと痛む発作が典型的な症状で、激しい痛みにより吐き気や嘔吐を起こしたり、日常生活を妨げたりすることもあります。
片頭痛の特徴のひとつが「前兆」と言われる症状です。
前兆は片頭痛の発作の前に現れ、光が見えるなどの視覚症状が一般的とされますが人によってさまざまな感じかたがあります。
前兆はある人もない人もいます。
動脈血栓である血栓性脳卒中(脳梗塞)のリスク因子として片頭痛があります。
前兆のある片頭痛の場合、ない場合に比べて脳梗塞が多いと報告されてます。
低用量ピルの副作用で重篤なものとしては血栓ができやすくなります。
そのため前兆のある片頭痛では低用量ピルが禁忌となります。
肥満も血栓症のリスクであり低用量ピルの一番の重篤な副作用の血栓と相乗効果で増加するのでダイエットをお勧めいたします。
また運動により血流が良くなるため血栓のリスク低減にもなりますのでお勧めします。
1日に1時間(30分×2回でも可)の運動をお勧めします。
スポーツが嫌いであればルールを決めて歩くようにしてください。
必要最低限のものしか買わないようにして毎日速足で買い物をして一回りして帰るのもお勧めです。
低用量ピルの副作用で多いのは悪心・嘔吐 1.2~29.2 %、めまい 0.2~1.0 %、ふらつき 0.3 %、頭痛・偏頭痛 3.4~15.7 %、にきび 0.1~2.9% です。他に浮腫 1.0~3.2 %、 体重増加 0.8~2.2 %となります。
大部分の方は問題なく飲めますがどうしても飲めない方がいらっしゃるのも事実です。
内服初期は不正出血が起きやすくなる
→内服を継続する事で徐々に軽減されていきます。
血栓症を発症するリスクが高くなる
→毎回問診の際に注意深く確認させて頂きます。
また、定期的に採血を実施し早期発見に努めます。
子宮頸がんのリスクを上げる可能性がある
→1年に1回必ず婦人科にて検査を実施して頂きます。
乳がんのリスクを上げる可能性がある
→1年に1回必ず乳腺外科にて検査を実施して頂きます。
50歳以上または閉経している方
35歳以上で1日15本以上たばこを吸っている方
前兆のある片頭痛がある方
血栓症の既往がある方
家族に血栓症の人がいて遺伝的に血栓が起きやすい体質の人
過去に肺梗塞・脳梗塞・心筋梗塞など血栓症を起こしたことがある人
コントロールできていない高血圧・糖尿病・高脂血症がある人
妊娠中や授乳中の方
血栓症を発症するリスクが高くなる
→毎回問診の際に注意深く確認させて頂きます。
また、定期的に採血を実施し早期発見に努めます。
そのため、当院では初めて低用量ピルを処方してから3か月以内に1度採血検査を実施します。
その後は問診による血栓症のリスクの有無にて半年または1年毎に採血検査を実施します。
女性待合室にて問診票の記入をしていただきます。
医師より、低用量ピル飲み方や副作用の説明など行います。
※医師の判断によっては、処方ができない場合もございます。
※初回来院時には、身分証明書のご提示をお願いしております。
初回でも低用量ピルは1〜3か月分まで処方可能です。
初めて処方してから3か月以内に一度採血検査を実施していただきます。
初診時に採血を実施することも可能です。
また、初回に3か月分処方し、次回来院時に採血を実施することも可能です。
ただし、3か月以内に採血検査が必ず必要となりますので、採血を実施していただけない場合は、継続処方は出来かねますのでご了承下さい。
また、低用量ピルを他院で処方され、現在内服されている方や健康診断(人間ドック)などで採血検査を受けていただいている方は結果が必要となりますので、ご持参ください。
採血の結果によって今後低用量ピルの内服を中止していただく場合もあります。
その際の返品、返金は出来ませんのでご了承下さい。
採血の結果や問診等で問題がなければ、ご希望に応じて6ヶ月分まで処方できます。
その後の採血検査は半年または1年毎に実施します。
検査・治療 | 料金(税込) | 備考 |
---|---|---|
国産先発品一相性(1シート) | 3,300円 | |
国産先発品三相性(1シート) | 3,300円 | |
採血検査 | 3,300円 | 半年または1年毎 |
【HIV検査結果判明について】
全国的にHIV即日検査キットが不足してますが、当院は検査室隣接のため検査機器で正確に1時間ほどで結果をお知らせできます。
現在、お電話では当院の受診に関する内容や受診された方の検査結果の確認のみ対応させて頂いております。
性感染症に関する一般的なご質問やご相談につきましては、お答えできませんのでご了承ください。
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