赤痢アメーバ症

目次

   

赤痢アメーバ症とは

赤痢アメーバ症は赤痢アメーバ(Entamoeba・histolytica:エンタメーバ・ヒストリティカ )という原虫が感染することで起こる感染症です。

顕微鏡下での赤痢アメーバの運動
情報元:国立感染症研究所ホームページ

感染経路としては、赤痢アメーバの感染嚢子(シスト)が付着している肛門を直接舐めたり、肛門に触れた手で口に触れることが原因となる性的接触による感染(糞口感染)と、赤痢アメーバの感染嚢子(シスト)に汚された飲食物等を経口摂取することが原因となる感染(経口感染)があります。

シストが消化管に入ると、小腸で脱嚢して様々な症状を起こします。

組織内に検出された赤痢アメーバ栄養体の集簇 情報元:国立感染症研究所ホームページ

アメーバ赤痢報告数

平成11年~令和2年のアメーバ赤痢報告数をグラフにしたものです。

平成28年までは増加傾向にありましたが、この年を境に減少傾向にあります。

情報元:厚生労働省> (数値を当方でグラフにしました)無断転載禁止

 

症状

感染した方に症状が現れる確率は約5~10%といわれています。

大腸の粘膜が潰瘍を起こすことによって血便や下痢、排便時の下腹痛などの症状が起こります。

典型的な症状としてイチゴゼリー状の粘血便がでることが有名です。

発熱や上腹部痛、食欲不振や嘔吐などの症状が見られますが、日ごとに変化し、数週間の間隔で増悪と寛快を繰り返します。

症状が悪化すると腸穿孔(ちょうせんこう:腸に穴が開く)を起こす事があります。

また、赤痢アメーバが、血液の流れに乗り肝臓や肺、脳や皮膚などの各臓器に膿が溜まることがあります。

肝膿症(肝臓に膿が貯まる病気)がもっとも頻度が高いとされています。

【赤痢アメーバの感染例】
・海外でしばらく生活していたが、粘血が出てきた。もしかしたら加熱不十分の料理などを食べてしまったかもしれない。赤痢アメーバ症は不衛生な食器などからも感染すると聞いた。
・相手の肛門を舐めたり、肛門を触った手を口に入れるような行為があった。その相手から赤痢アメーバだと聞かされ心配になり、検査を行った。

 

赤痢アメーバ症かな?と思った時のポイント

  • ■いちごゼリーみたいな血が混じった粘液混じりの便がでた
  • ■下痢が続く
  • ■つねに便意を感じているような感覚がする
  • ■排便とともに、急にお腹が痛む
  • ■断続的にお腹の痛みと吐き気がおこる
 

当院による赤痢アメーバ症
の検査と治療について >

情報元:CDCホームページ>

予防方法

アメーバ赤痢を防げるワクチンはありません。
肛門性交などによる糞口感染や汚染された食品や飲み物を摂取することで感染します。

不特定多数との行為を避ける、性風俗産業の利用を控える、コンドームを使用する、体を清潔に保つ、そして、肛門への口腔性交を避けることが大切です。

流行している地域では、生水、氷、生野菜、カットフルーツ、生の魚介類などの食品を摂取しないようにしましょう。

 

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