咽頭クラミジア

目次

 

咽頭クラミジアとは

クラミジアは性行為(セックス、オーラルセックス、キス)を感染経路とする性病のひとつです。

咽頭に感染してしまった場合、咽頭クラミジアといいます。

咽頭クラミジアは、症状があまり出ない為、気づかない人が多く、気づかないままに症状が悪化したり他の人にうつしてしまったりという事が起こってしまっているのが現状です。

悪化した際に出る症状としては、のどの腫れや痛みといった風邪と勘違いしてしまう症状が出てきます。

咽頭のクラミジアの感染は最近とくに増加の傾向があります。

アダルトビデオや性風俗の一般化でオーラルセックスに対する抵抗が少なく、感染予防のない性交渉を日常的におこなっている傾向が高まるにつれて咽頭感染の相談が増えてきました。

当院によるクラミジア
の検査と治療について >

情報元:国立感染症研究所>

クラミジア男女別年間報告数

平成29年~令和3年のクラミジア報告数を男女別に年代毎にグラフ化したものです。

20代の報告数が増えてきており、とくに令和3年は急激に増加しております。


情報元:生労働省> (数値を当方でグラフにしました)無断転載禁止

 

性器への感染がなくても咽頭に感染している症例が多くなっていますので注意が必要です。

クラミジア・トラコマチス
(Chlamydia trachomatis )病原体
情報元:国立感染症研究所>

症状

潜伏期間は1~3週間です。

  • のどの痛み、腫れ、咳、発熱などの風邪のような症状。
  • ■のどの見た目に明らかな変化なし。
  • ■クラミジアや淋病に感染した人の10〜30%は咽頭からも菌が検出されます。

◉のどの痛み、腫れ、咳、発熱などの風邪のような症状

のどの見た目に明らかな変化はないことが多いです。

風邪と勘違いしてそのままにしたり、風邪薬を飲んでいたりとクラミジアに気付かず放置、悪化すると咽頭炎や扁桃腺炎といった病気を発症してしまいます。

【クラミジアの感染例】
・行為はキスだけだったことと、症状もなかったので気にしていなかったが、実は感染していた。

検査方法と検査ができる時期

うがいの検査

感染機会から24時間以上経過で検査可能です。

精密検査・即日精密検査の違い

即日簡易(迅速)検査/簡易検査キット「イムノクロマトグラフィー法」による方法

のどのクラミジアにはそもそも適応がありません。

精密検査(SDA法やPCR法)

症状がなくても検査可能
通常検査会社に検査を委託して行う方法、但し医療機関によって異なる。

結果:2〜7日後

即日精密検査(TMA法)

症状がなくても検査可能
医療機関内で専門の機器を備えて行う。

【結果】
前半診療受付:当日の夕方以降に判明
後半診療受付:翌日の昼12時までに判明

遺伝子による核酸増幅法の種類

PCR法とTMA法いずれも精度の非常に高い検査です。

PCR法

二重螺旋構造になっているDNAを熱によりに分解。
分解された部分に酵素がくっついていき、DNAを伸ばして増幅して行く方法。

TMA法

1つの細胞に1個しかないDNAの遺伝子ではなく、数千個存在しているrRNAの遺伝子をターゲットにする。ターゲットとなったrRNAに酵素がくっついてDNAの合成と分解を繰り返し、RNAを増幅させていく方法。

※当院ではクリニックに隣接する登録衛生検査所にて、TMA法を用いて即日精密検査をおこなっています。

 

迅速即日精密検査(TRC法)

即日精密検査(TMA法)より早く結果が判明します。

検査結果:最短2時間 再検査時4時間〜翌日
※受付時間に制限あり(平日18時、土日祝16時)
※メンズ・レディースセットの確認検査はTMA法のみ
※追加で3,300円費用が発生します。

TRC法
定温度で核酸(RNA)を増幅する転写-逆転写の協奏的反応と、増幅された核酸と結合することで 蛍光を発するプローブというものを使用する反応を組み合わせた方法。

従来の方法に比べ、一定の温度で転写-逆転写反応が連続的に進行するため標的核酸の迅速な増幅が可能であり、 TMA法と同様にRNAを標的としているので高感度な検出も可能である。

当院によるクラミジア
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クラミジア、淋病
における即日検査とは? >

 

治療方法

抗生剤の内服

マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗生物質を使用します。
服用期間は薬の種類によって異なりますが、1週間程度で終わる場合がほとんどです。

治療終了後、1ヶ月程度の間隔をあけてから再度検査を行い、菌がいなくなったことを確認できれば治療は終了です。

予防方法

オーラル行為による感染報告も多数例報告されています。

クラミジアは粘膜(目・咽頭・腟・尿道など)の直接接触が主な感染源ため、オーラル時もコンドームを使用することにより、リスクを大幅に低下させることが出来ます。

しかしながら、コンドームを着用していたとしても、外れてしまったり、破けてしまったりした場合は、着用していないのと同じ結果になるため注意が必要です。

パートナーとの性行為時は、最初から最後まで、しっかりとコンドームを着用しましょう。

情報元:CDC>

予防薬

近年、クラミジアをはじめとする性感染症の予防法として、抗生物質を用いた予防内服が注目されています。
主な方法として、Doxy-PEP(ドキシペップ)とDoxy-PrEP(ドキシプレップ)があります。

Doxy-PEP(ドキシペップ)
→リスクのある性行為後72時間以内にドキシサイクリンを内服

Doxy-PrEP(ドキシプレップ)
→ドキシサイクリンを毎日内服

これらは、ドキシサイクリンという抗生物質を使用することで、クラミジアだけでなく淋病や梅毒などの性感染症も一定程度予防できると考えられている療法です。

しかしながら、当院では薬剤耐性菌の増加リスクや長期的な抗生物質使用による副作用の可能性などの理由から、これらの予防法を推奨しておりません。
繰り返しになりますが、性感染症の予防には、コンドームの適切な使用や定期的な検査など、従来の方法もとても重要です。

Doxy-PEP
Doxy-PrEPについて>

 

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